第5回の最終選考に残った3作について、島田荘司氏の選評を「最終選考・作品選評」に掲載しました。
第5回は、福ミスの新たな試みとして、第1次選考通過作品27作について、選考を担当した編集者による選評を公表することにしました。
公表は、2013年1月頃で、福ミスのホームページで行います。
第6回の応募に向けて執筆されている方も、是非参考にしてみてください。
福ミス第5回受賞作 「バイリンガル」
◆作者
高林 さわ (たかばやし さわ)
◆作者プロフィール
1945年5月3日千葉県生まれ。千葉県在住。中学教師、塾講師を勤めた後、退職。現在は母の介護。1981年「小説現代新人賞」受賞。
◆受賞作概要
アメリカ人の夫と離婚した永島聡子は、日本に帰国し、予備校の講師をしながら一人息子を育てた。ある日、沢田仁奈という女性が聡子のもとを訪ね、自分の両親が亡くなるきっかけとなった、30年前にインディアナ州ラフィエットで起きた誘拐殺人事件の内容を話して欲しいと頼む。仁奈には親切にしなければと思いつつも、乗り気になれずにいた聡子だが、仁奈の日本での生い立ちや生活を聞き、事件の全貌を語り出す。
島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞 第5回受賞作の発表記者会見を、10月26日、羽田皓実行委員会委員長、島田荘司先生、受賞者、協力出版社3社の出席のもと、ふくやま文学館で行いました。
(左から、島田荘司先生、高林さわさん、羽田皓実行委員会委員長)
◆島田先生選評(抜粋)
「この書き手は、すでに独自的な表現の境地を掴んでいる。とりわけユーモアをまぶした女性型の戦闘表現は、すでに誰の真似でもなく、似た表現センスは、少なくとも本格寄りのミステリーのフィールドには見当たらない。」
◆高林さん受賞コメント
「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」という大きな賞をいただくことができまして、ほんとうにありがたく、感謝しております。島田先生はじめ、選んでくださった皆様に、心より御礼申し上げます。30年前に賞をいただいた後、長いブランクがありましたが、諦めずに書き続けてよかったです。書く場所を与えていただいたのですから、頑張らねば、と思っております。どうもありがとうございました。」
◆受賞作の出版は2013年春予定
受賞作品は、今後、島田先生の指導のもとに推敲され、2013年春に光文社から発表される予定です。
◆表彰式は2013年5月(予定)
第5回表彰式を、来年5月に開催する予定です。(詳細は未定)
記念すべき第5回の受賞作品が決まり、事務局も大変うれしく思っています。
先生のアドバイスで、作品にさらに磨きをかけ、「傑作」となって世に送り出します。出版が楽しみですね。
最終選考に残った3作品の島田先生の選評は、近日中に掲載します。掲載しましたら、こうもり通信でもお知らせしますので、楽しみにお待ちください。
今後とも、福ミスをどうぞよろしくお願いいたします。
福ミス第1回優秀作「少女たちの羅針盤」(原書房)の作者、水生大海さんの最新刊が発売されます。
せつなくて、さわやかな、青春ミステリー!
ぜひ、お楽しみください!!
作品名 「てのひらの記憶」
発売日 2012年10月2日(書店によって前後します)
定 価 1,575円(税込)
出版社 PHP研究所
【あらすじ】
江戸時代から続く質屋に生まれた円(まどか)は、品物の記憶が読める能力を持っている。
ある日、不審な客がお店にきて、真珠のネックレスを買ってくれと言う。
それはひとつの事件の幕開けだった……
第2次選考通過作品は例年4作となっていましたが、選考会議の結果、今年は次の3作が第2次選考を通過し、最終選考作品となりました。
最終選考は、選者である島田荘司さんが3作の中から1作を決定し、10月に受賞作1作を発表する予定です。
楽しみにお待ちください!
◆第2次選考通過作品【3作】 ※順不同・括弧内は筆名
・バイリンガル(高林さわ)
・ゴッホの肖像(成田朱美)
・仮名手本殺人事件(河上雅哉)
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