7月上旬※ | 13人の審査員には、自身が担当した4作品に対し、1位から4位という順位を、必ず振ってもらいます。これをヴォランティア選考委員の、重大な任務とします。 集計が出た段階で、各選考委員が1位と評価した作品を機械的にピックアップし、この13作を第一次選考通過作とします。 そしてこのホームページにおいて、この13作品のタイトルと筆者名をリストにして公表します。 |
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8月中旬※ | 次にこの13作を、5作、4作、4作というかたちに3つのグループに分け、二次選考担当の、3出版社の編集者グループに振り分けます。 この二次選考担当の編集者班は、社チームとはせず、あえて他社の編集者と組む、混合の班とします。この方が社内の上下関係から解放され、主張が対等に近づくし、会話も新鮮になります。 3班の編集者たちは、手もとに来た4から5作品をすべて読み、これらの作に、やはり1位から4位までの順位を振ります。 こうして3つの1位作を決定したのち、この3作に着目し、これらが一次審査を通過した時点で、その次点、つまり一次審査員らが、各自の担当作のうちで2位として位置づけていたため、一次の未通過作となっていた3点を、ここで機械的に復活させて二次選考対象に加えます。 この敗者復活3作が、二次選考への浮上第二陣となり、当ホームページにタイトルと筆者名を追加発表します。 |
8月下旬※ | このようにして選出した計16の作品を、二次選考の対象とします。 このようにする理由は、甲乙つけがたい傑作が2本、たまたま1人の一次選考委員のもとに集中する可能性を排除できないからです。 別の選考委員に当たれば一次を通過できたかもしれないレヴェルの傑作が、選考委員との相性や、選考を受ける際の位置によって浮上のチャンスを失う、といった危険性は無視できませんから、こうした作もすくいあげておかなくてはなりません。 下方で拮抗する2作の場合は、二次選考のステージにあらためて乗せることをしなくても、罪は少ないと判断します。 これに加え、さらに「編集者推薦枠」というものを設けておきます。 これは、二次選考担当の3出版社の編集者たちが一次選考落選作を眺め、タイトルやあらすじに惹かれる作があったので読み、大いに感心したという場合を想定しています。 つまり編集者が、一次の選に漏れた作のうちに、優秀作を見出したというケースです。 こういう場合は、編集者特権をもってこれを二次審査対象に追加することができるとします。 このようなことがあれば、この若干の作品名と筆者を、続いてホームページで追加発表し、第二次選考への浮上、第三陣とします。 この時、よいタイトルと、よいあらすじを持つ作が有利となりますが、本格ミステリーという小説の性質を考えた際、これは必ずしも悪いことではありません。読者が購入を決める際の判断も、そうしたものになるでしょうから。 二次への浮上作、二陣、三陣発生のこうしたプロセスも、二次審査の範疇となります。 このようにして二次選考にあげた16作、年度によってはこれに若干の編集者推薦作がプラスされた、二次審査対象作の決定リストを、当ホームページにおいて公表します。 |
9月上旬※ | 二次選考委員たる3社の編集者たちが、これらの作品のうちから4作品程度を、第二次選考通過作として選びます。 このプロセスとして各班は、それぞれの担当5、6作品のうちから、2点の優秀作を全員討議対象作として選び、全員のテーブルに提出します。選出された三班による優秀作の合計6点を、全員があらためて読みます。 ただしこれも、各班の提出枠を2作と定めることはしません。担当して読んでいる作品が、あくまで全員討議作としての資格を持つか否か、を基準に判定します。 それは、この場合も全員討議相当の優秀作が、ひとつの班にかたよっている可能性があるからです。したがって、6作という数字も一応のめどとします。 そしてこの6作程度の全員討議作を、編集者全員が読み、徹底して吟味、議論をつくし、最終候補作を4作品程度に絞り込みます。 これらの作品が最終候補作となり、タイトルと筆者名を、当ホームページにて公表します。 |
10月下旬※ | 最終候補作の内から、島田荘司が授賞作1点を選出し、記者発表を経てのち、このホームページに公表します。 |
※選考の時期は目安です。実際の選考・発表の時期とは異なる場合があります。