コウモリ通信

福ミス第1次選考結果(第1回目)発表!!

2009年5月10日に締め切った「島田荘司選 第2回 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の応募作品 58作の中から、次の13作品が第1次選考を通過し、第2次選考作品となりました。
選考は、一般公募による選考委員13名が分担し、ミステリーとしてのおもしろさ、仕掛け等について審査し、順位付けを行いました。そのうち1位作品となった13作が1次通過となっています。
この結果は、6月30日付けで応募者へ文書で通知しています。
第1次選考通過作品は、当サイト、島田荘司先生による「第2回選考方法」の説明にもあるように、今後、7月下旬に第2回目発表(3作程度)8月上旬に第3回目発表(数作)を経て、最終決定となります。
これは、選考にかかわって、段階的な発表により本賞への関心を高めることを目的に、選者の島田荘司氏と第1次選考委員、協力出版社(光文社・原書房・講談社)、事務局の協議により決定しました。

第1次選考通過作品は以下のとおりです(順不同。括弧内は筆名)。
・滝見亭事件 (森 輝喜)
・Monroe Smile (金沢 整二)
・罪の行方 (塩見 朝伸)
・伽羅の橋 (糸 冬了)
・銭樽の怪 (渡辺 芳洋)
・堕天使の羽根 (南野 海)
・追憶の舘―緋色館殺人事件― (ソッコウ 詩人)
・9-Pido ナイン・ピッド (木下 幸一郎)
・ヴェッキオ城の惨劇 (三谷 玲貴)
・連坐 (斯波 耕之介)
・巨大彗星クライシス―恐竜からの遺産 (もとくら てつや)
・群羊の島 (大迫 知信)
・カピテン・ユゲの星の時間 (宮代 匠)

                  【13作】

更新日:2009年06月30日  Comment(0)

ダマー映画祭inヒロシマに水生大海さんがゲスト出演!

ダマー映画祭とは,アメリカで新人の才能発掘のためにボランティアで立ち上げた30分以内のショートフィルムを公募する映画祭で,今年から広島でも「ダマー映画祭inヒロシマ」(2009年12月11日(金)~13日(日))として開催されることとなりました。この代表を務める映画美術監督の部谷京子さんは,島田先生の親友でもあり,今年3月の福ミスの表彰式にも特別ゲストとしてお呼びしたところです。

このご縁で,今回,広島市中区シネツイン本通りで行われた「ダマー映画祭inヒロシマ」のプレイベントに水生大海さんがゲストとして招かれました。カンヌ国際映画祭で3度受賞されている河瀬直美監督の「火垂 2009version」を鑑賞した後,河瀬監督・部谷京子さんらを交えたトークショーが行われ,サプライズで島田先生が舞台にあがる一幕もありました。

「ダマー映画祭inヒロシマ」と「福ミス」は,新人発掘を目的に立ち上げられたできたたばかりの賞である,という共通点があります。「福ミス」も「ダマー映画祭inヒロシマ」と共に,今後ますます発展していけるよう頑張っていきたいと思います。

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(左から横山雄二アナウンサー,水生大海さん,河瀬直美監督,部谷京子さん,糸永直美アナウンサー)

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(翌日は広島の新球場でカープ戦を観戦しました。隣の糸永さんは,プレイベントで福ミスをたくさんPRしてくれました。)

更新日:2009年06月29日  Comment(0)

「少女たちの羅針盤」7月10日刊行!

福ミス第1回優秀作となった水生大海さん作『罪人いずくにか』が、このたび島田先生のアドバイスにより改稿を重ね、『少女たちの羅針盤』に改題され、7月10日、原書房から刊行されます。(定価1680円税込)

受賞作『玻璃の家』に続き、福ミスから生まれた作品がまたまた全国の書店に並ぶのが、今からとても楽しみです。

『玻璃の家』とは趣きも全く違うミステリー作品です。お楽しみに!

※チラシをご覧ください。

(福ミス係)

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更新日:2009年06月17日  Comment(0)

ホームページ更新!

遅くなりましたがホームページを更新し、こうもり通信でお伝えしていた第3回の応募要項をトップページから直接ご案内できるようにしました。

そして、島田先生に執筆いただいた現在選考中の第2回の選考方法についてと、第1回の最終選考4作品の選評を掲載しています。いずれも応募されている方、応募を考えている方にとって、とっても参考になるものです!ぜひご覧ください。

選考方法にもあるように、今月末には第1次選考の結果の第1弾を発表します。応募された方、興味をお持ちの方、ぜひ注目を!!

(福ミス係)

更新日:2009年06月10日  Comment(2)

『玻璃の家』書評

北海道新聞(2009年5月17日付け)「ほん」欄に、作者の松本さんと同じ北海道出身のミステリー評論家、千街晶之さんの書評が掲載されましたので、ご紹介します。

大変力強い評に、福ミス担当も喜んでいます。

(福ミス係)

玻璃の家
松本寛大著  講談社 一七八五円)
<略歴> まつもと・かんだい 1971年、札幌生まれ。会社員。本書は2008年の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。札幌在住。
序章から巧妙な仕掛け

広島県福山市が、芸術文化の活性化を図って創設したのが「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」である。同市出身のミステリー作家、島田荘司を選考委員に迎えただけあって、同種の自治体主催の文学賞としては、宣伝や準備などにも力が入った部類だろう。

その第一回受賞作となった「玻璃(はり)の家」は、アメリカはマサチューセッツ州の小都市を舞台にした本格ミステリーである。かつてガラス製造業で財を成したリリブリッジ一族が住んでいた邸宅は、最後の当主の怪死やヒッピーの死亡事故などの変事が起きており、今や完全な廃屋と化していたが、そこで殺人事件が発生した。

犯行の一部始終を目撃していた少年には、あいにくなことに自分の顔も含め人間の顔を識別できない「相貌(そうぼう)失認」という症状があった。心理学を学ぶ日本人留学生トーマがこの難事件に挑む。

本作のミステリーとしての読みどころは大きく分けて二つある。一つは、脳科学や精神医学などの知見を作中に取り入れている点だが、過剰に専門的になることはなく、ラストの劇的な演出のために不可欠な要素となっている(もっとも、視覚的な効果を文章でなんとか表現しようとしているため、隔靴掻痒(かっかそうよう)の印象を受けたのも否めないけれど)。もう一つは犯人を特定するための論理だが、双子トリックが本格ミステリーのネタとしてはありふれていることを承知の上で敢(あ)えて取り上げ、怒濤(どとう)の連続どんでん返しで読者を翻弄(ほんろう)してみせるあたりはまさに圧巻。考え抜かれたミスリードの技巧が、プロローグの時点から巧妙に仕掛けられている。

筆致は淡々としており、島田作品のような有無を言わさず読者を引き込むダイナミックさには欠けるが、著者の生真面目(きまじめ)な姿勢は伝わってくる。有力な新人作家の誕生と言えるだろう。

評・千街晶之(ミステリー評論家)

img_footlogo  Copyright(c) The Hokkaido Shimbun Press.

更新日:2009年05月21日  Comment(0)

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