受賞者・優秀作者の紹介

島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。

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吉田恭教(よしだやすのり)

佐賀県出身。島根県在住。

第3回優秀作

変若水

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2011年10月 光文社

 厚生労働省に勤務する向井俊介は、幼馴染の女医が突然死した真相を追及するうち、ある病院を告発する文書の存在を掴み、島根と広島の県境にある雪深い村にたどり着く。
 そこは変若水村。ある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが行われる奇妙な村だった。 相次ぐ突然死と、変若水村で過去におこった猟奇事件の謎に向井が迫る――。

著者よりひとこと

 この度は優秀賞を賜り、島田荘司先生・羽田皓市長をはじめ、ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の実行に携わって下さった関係者の方々に心から御礼を申し上げます。
小説を書き始めてから数々の文学賞に作品を投稿してきたものの、中々思うような結果が出ずに筆を折ろうと思ったこともありました。しかし、継続は力なりと申します。気を取り直し、今度こそと思って『変若水』を書き上げました。そして今回、優秀賞を頂く結果となり、小説を書き続けていて良かったと心から実感しております。
今後とも未聞のトリック創作に尽力し、更に面白い作品を書き上げてまいりたいと存じます。最後に、福山市と福山市民の方々の、更なるご発展をお祈りいたします。(2011年5月)

近 況

 今年は三月に単行本「亡霊の柩」南雲堂を刊行しておりますが、今後、夏に文庫の短編集・上下巻(作家十名がそれぞれ短編を一作づつ持ち寄るという趣向ですが、皆さん著名な方ばかりで無名なのは私だけ)、十月に「槙野・東條シリーズ第一弾 可視える」の待望の文庫化、加えて新作「槙野・東條シリーズ第六弾」(単行本)の刊行といった予定になっております。できればもう一作刊行したいところですが、その作品が年内に間に合うかは微妙な状況で、現在、ラストスパート中――。
 話は変わりますが、「槙野・東條シリーズ第六弾」で私の作品も十作を数えることと相成ります。七年前に「変若水」でデビューした時、十作は書きたいと願っておりましたが、その願いも何とか成就しそうで、改めて次は二十作書くという目標を掲げたいと思います。皆様、長い目で見守ってやって下さい。(2018年3月31日)

著作品一覧

変若水(2011年10月 光文社)
ネメシスの契約(2013年7月 光文社)
惰天使の秤(2014年12月 光文社)
可視える(2015年10月 南雲堂)
背律(2016年3月 原書房)
亡者は囁く(2016年9月 南雲堂)
鬼を纏う魔女(2017年6月 南雲堂)
化身の哭く森(2017年7月 講談社)
亡霊の柩(2018年3月 南雲堂)
凶眼の魔女(2018年10月 実業之日本社文庫)

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若月香(わかつきかおり)

広島県福山市生まれ。2004年「いま、会いにゆきます」の映画企画本「ずっと、ずっと、あなたのそばに~澪の物語~」でデビュー。2014年島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学賞優秀作「屋上と、犬と、ぼくたちと」で再デビューを果たす。

第6回優秀作

屋上と、犬と、ぼくたちと

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2014年9月 光文社

 ガソリンスタンドでバイトをしている野村修司は、アパートの新聞受けに謎のメモがはさまれていることに気付く。はじめは意味のわからない内容だったが、翌週以降も届くメモを見ると、それは小学校時代に起きた不幸な出来事を指しているようだ。仲間と拾った子犬を内緒で飼っていた秋葉ビルの『屋上の屋上』から、台風の日に仲間の一人、オッタが転落して亡くなったのだ。 バイト先のミステリー好きの店長にメモを見せると、オッタの死に不審を抱き、メモの主を突き止めようと言い出すのだが―。

著者よりひとこと

 「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」発足のニュースを耳にしたときから、生まれも育ちも福山市のわたしは、いつか絶対に応募しよう!と心に決めていました。そして初めてのミステリーというチャレンジでしたが、このような賞をいただき、大変嬉しく、幸せです。島田荘司先生、そして関係者の皆様に心より感謝いたします。 今後も創作と創造をライフワークに、書き続けたいと思います。 本当にありがとうございました!(2014年9月)

近 況

 三月三十一日、髪を32センチ切りました。
 ずっとロングヘアだったのですが、美容院に行きそびれているうちにさらに伸びてしまって、ここまで長くなったのなら以前から気になっていたヘアドネーション(髪の寄付)をしようかなと漠然と考えていました。
 でもヘアドネーションには31センチ以上の長さの髪が必要だったので、ヘアカット後のスタイルを考えると、もうすこし先かなと思っていました。
 ところが三月二十五日日曜日の朝、母が脚を骨折し、入院・手術となりました。
 高齢で脚の骨折というと、寝たきりだとか介護という言葉が頭に浮かびます。
 お昼と晩におよそ二時間ずつ毎日病院に通って母を介助しているのですが、長いわたしの髪の毛がなんとなく病院に通うのにそぐわない気がしてきました。
 母を心配する気持ちだけでなく、将来についても不安になることと長い髪が連動して、衝動的に切りたくなりました。
 というわけで、ヘアドネーションのことも鑑みて、スタイリストさんにちゃんと測っていただいて、余裕を持って1センチ長めの32センチ切りました。
 現在わたしはサザエさんの妹のワカメちゃんのようなヘアスタイルなのですが、願掛けに髪を切るということもあることを知ったので、母が元のように元気に歩けるようになってほしいと願いつつ、寄付した先からどこかでこの髪が役立ってくれたらいいなと思います。(2018年3月31日)

著作品一覧

屋上と、犬と、ぼくたちと(2014年9月 光文社)