受賞者・優秀作者の紹介

島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。

高林さわ(たかばやしさわ)

1945 年5月3日生まれ。千葉県出身。中学教師、塾自営の後引退。1981年「小説現代新人賞」受賞。

第5回受賞作

バイリンガル

2013年5月 光文社

 アメリカ人の夫と離婚した永島聡子は、日本に帰国し、予備校の講師をしながら一人息子を育てた。ある日、沢田仁奈という女性が聡子のもとを訪ね、自分の両親が亡くなるきっかけとなった、30年前にインディアナ州ラフィエットで起きた誘拐殺人事件の内容を話して欲しいと頼む。仁奈には親切にしなければと思いつつも、乗り気になれずにいた聡子だが、仁奈の日本での生い立ちや生活を聞き、事件の全貌を語り出す。

著者よりひとこと

 「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」という大きな賞をいただくことができまして、ほんとうにありがたく、感謝しております。
 島田先生はじめ、選んでくださった皆様に、心より御礼申し上げます。30年前に賞をいただいた後、長いブランクがありましたが、諦めずに書き続けてよかったです。書く場所を再び与えていただいたのですから、頑張らねば、と思っております。どうもありがとうございました。。(2012年10月)

近 況

 この冬は天候のせいなのか喉はイガイガ、くしゃみ連発、咳が止まらず鼻水も止まらない、という体調が続いています。おまけに逆流性食道炎も患っているので、かなりきついです。病院で診てもらっても、食道炎はともかく、ほかは単なる「風邪」という診断です。平熱なので、コロナではないしインフルエンザでもない、とのこと。
 ゴロゴロしているときにはテレビがお友達で、毎週金曜土曜は競馬中継を楽しんでいます。子供の頃は京成の沿線に住んでいたので、小学校に上がる前から父親に連れられて、中山や船橋の競馬場にだいぶ通ったみたいです。そのせいなのか、大人になっても競馬を見るのが大好きです。馬券は買いませんけど。昔に比べると、観客数が非常に多くなったようですね。競馬場に行きたいと思ってはいても、あの人込みに入る気はしないです。
 有馬記念を見ながら、ディック・フランシスの競馬シリーズを読み直そうと思いつき、三十年ぶりに引っ張り出しました。発売と同時に読み始めて、全巻を揃えていたのです。
 やはりすごい小説です。主人公は巻によって異なりますが、例えば、昔はつらくて仕方なかったシッド・ハレーの行動が、時を隔てて再読すると、実に美しく男らしく、雄々しくて温かい。そしてせつなさが胸に迫ります。訳者菊池光氏の日本語にも魅かれました。
 昔、このシリーズのどれかを、長旅をする人へのお餞別にして、喜ばれたものです。

著作品一覧

バイリンガル(2013年5月 光文社/2018年4月  光文社文庫)