島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。
第7回優秀作
2015年11月 原書房
古文書には暗号によってアレクサンドリア図書館の蔵書の隠し場所が記されているという。新教皇ソテル二世は暗号を解いて「人類の宝」を公にしようとする。しかし守旧派らによる様々な思惑から攻撃にさらされる。ロマン溢れる本格歴史ミステリー。
優秀作のお知らせをいただき、たいへん光栄に思っております。島田荘司先生、選考過程でこの作品を読んでくださったすべての方々、事務局の皆様に心より感謝申しあげます。「物語を書く人になりたい」という夢を持ったのは高校生の頃だったと記憶しますが、長いこと自分には無理と思いこんでいました。いまようやくその夢が形をとりはじめたようです。書いてみてよかった! これからも力の及ぶかぎり楽しく書いていきたいと思っています。(2015年5月)
2024年の私個人のいちばん大きな出来事は、2016年夏以来続けてきたささやかな輸入雑貨の店を年末に閉じたことでした。
当初の店のオーナーは亡くなった夫。あれほど夢一杯でオープンしたのも束の間、わずか一年余りで病に倒れ扉の向こうの世界に行ってしまいました。迷った末に店を引き継ぐことを決めたものの「これは人生のどんな罰ゲームなんだろう?」と自問する日々でした。
ところが閉業を決め、いよいよその日を迎えたとき、ここ数年の私の「問い」に答えが降ってきたのです。言葉にするのは難しいのですが、「この気持ちを味わうためにこれまでの全ての日々があったのだ」と腑に落ちました。
年が明け、数年ぶりに風邪をひいて珍しく寝込みました。カウンセラーをしている知人に話したら興味深いことを教えてくれました。
依存症の人はその最中は風邪をひかないが、回復すると風邪をひくことがよくあるというのです。「だから風邪をひくのは悪いことじゃないよ」と。吹けば飛ぶような店でも、私にとっては大いなるプレッシャー、そしてアディクションでもあったのかもしれません。ともあれ、三足のわらじが二足になった今年、一足目(二足目?)の成果を出したいものです。(2025年3月)
ベンヤミン院長の古文書(2015年11月 原書房)
薬草とウインク(2017年4月 原書房)
木乃伊の都(2021年6月 光文社)