島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。
第11回受賞作
さよならをもう一度

2019年3月 光文社
ドッグシッターの風太に一通の喪中はがきが届く。以前交際していた美咲の訃報だった。まだ32歳なのにと驚く。ほかの別れた恋人、蘭、エミリのことも思い出し連絡を取ろうとするが、消息がつかめない。
別れたとは言え、三人は風太にとって大切な女性だった。彼女たちに何が起きているのか。いてもたってもいられない風太は三人のことを調べ始める。彼女たちの友人、住んでいた家、通っていた学校。しかし、彼女たちはまるで存在しなかったかのように、一切の痕跡が消えてしまっていた。
あり得ないことに激しく動揺し、混乱する風太。消耗しつつも、彼女たちの生きた証を捜し続けるが・・・・・・。
著者よりひとこと
冒頭で主人公が出くわした謎は、作者の私も答えを見つけるまでに、書き始めてから数ヶ月かかりました。
『あり得ない謎をロジカルに解決する』。私が今作で挑戦し
たことが、島田先生が唱える「本格ミステリ」の定義に通ずることに気づき、応募した次第です。
読んでくださる方が、主人公、私と同じように「あり得ない」と戸惑
い、そして解答にたどり着いたとき、「まさか」という興奮を味わっていただけたら望外の喜びです。(2019年3月)
近 況
2025年には『ひとつ屋根の下の殺人』を原書房さんより刊行しました。伏線(73個)をすべてゴシック体にして、初めから読者に明示してしまうという試みです。おかげさまでこの挑戦は、読者から新しい試み、親切設計、再読が楽しいと好評を得ました。
そして2026年2月に伏線提示型ミステリ第二弾として『ひとつ屋根の下の誘拐』が発売されます。
原稿執筆以外の活動としては、文学フリマへの参加やSNSでの発信、作家グループ(わんにゃん堂)として書店とのコラボレーション、著作の完全ガイドの発行と読者プレゼントなど、様々なプロモーションや読者との接点づくりを摸索した一年でもありました。
また、地元の図書館協議会委員として、読書環境の充実を目指す新しい施策を提案、議論しました。その中で本を通じて地域活性化を実現した福山市の福ミスという成功事例を紹介できて良かったです。
今年も新しいことに取り組んで参りたいと思います。
(2026年2月)
著作品一覧
幻の彼女(2019年3月 光文社)
幻のオリンピアン(2020年3月 光文社)
ロスト・ドッグ (2022年8月 光文社)
ひとつ屋根の下の殺人(2025年3月 原書房)
ひとつ屋根の下の誘拐(2026年2月 原書房)