受賞者・優秀作者の紹介

島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。

植田文博(うえだふみひろ)

3月5日生まれ。熊本県生まれ。東京都在住。

第6回受賞作

経眼窩式

2014年5月 原書房

「あんたは、最低だな」  古ぼけたアパートの一室で再会した父親は、日常生活もままならない変わり果てた姿となっていた――。遠田香菜子は、そこで偶然出会った青年とともにアパートの調査を開始する。そんな彼らに、ある男が近づいていた。そしてそれを、ある女が監視していた。やがてふたりは、凶悪事件の壮大な陰謀と、初めて芽生えた感情の渦に呑み込まれてゆく。

著者よりひとこと

 欲するままに書き続け、自身の中にあるものは、裏打ちのない自信としつこさだけでした。そんな中で自分という存在を見つけていただいた皆様に、心から感謝しています。
今後は島田先生や編集者の方々の助言を得て、読んでよかったと感じていただけるものを作っていけたらと思っています。(2014年5月)

近 況

 昨年は単行本の刊行と、YouTubeアニメにてプロットを4本担当させていただきました。
 単行本は講談社より『ニケを殺す』。
 世界七不思議の一つである、オリンピアのゼウスと共にあった遺物、ニケ像を巡る物語です。事件に巻き込まれ意識不明となった妻。その妻には大きな秘密があった。そこから始まるハードボイルドテイストのミステリー。古代遺物やハードボイルドに引っかかるものがあれば、ぜひお試しください。
 YouTubeアニメは、講談社の『ハンドレッドノート スワロウテイル』。
 仕事嫌いだが、見たものをすべて記憶でき、脳内で録画のように自由自在に再生できる探偵が活躍する物語。常軌を逸したその『記憶』の力を駆使した謎解きとなっています。
 こちらはYouTubeにて無料公開しています。
 https://www.youtube.com/@SwallowTail-cq1fd
 ※概要でプロット担当者が確認できます。(2024年3月)

著作品一覧

経眼窩式(2014年5月 原書房)
エイトハンドレッド(2015年5月 原書房)
心臓のように大切な(2017年8月 原書房)
99の羊と20000の殺人(2019年8月 実業之日本社)*2017年8月原書房「心臓のように大切な」を改題・改稿
ニケを殺す(2023年5月 講談社)