受賞者・優秀作者の紹介

島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。

植田文博(うえだふみひろ)

3月5日生まれ。熊本県生まれ。東京都在住。

第6回受賞作

経眼窩式

2014年5月 原書房

「あんたは、最低だな」  古ぼけたアパートの一室で再会した父親は、日常生活もままならない変わり果てた姿となっていた――。遠田香菜子は、そこで偶然出会った青年とともにアパートの調査を開始する。そんな彼らに、ある男が近づいていた。そしてそれを、ある女が監視していた。やがてふたりは、凶悪事件の壮大な陰謀と、初めて芽生えた感情の渦に呑み込まれてゆく。

著者よりひとこと

 欲するままに書き続け、自身の中にあるものは、裏打ちのない自信としつこさだけでした。そんな中で自分という存在を見つけていただいた皆様に、心から感謝しています。
今後は島田先生や編集者の方々の助言を得て、読んでよかったと感じていただけるものを作っていけたらと思っています。(2014年5月)

近 況

 今年も正月から雪を求めて、東京から万座温泉へ。
 雪の怖さを知らない九州出身だからだろう。雪はいつ見てもわくわくする。そのため、ここ数年、冬になると草津や万座などの雪深い場所を目指す。
 落ちてくる雪を見上げながらつかる露天風呂。冷たくなった頬に、手ですくった湯をかける気持ちよさは格別だ。また来年もと思う。

 昨年はいくつか仕事をいただき、今年3月からローンチするプロジェクトで、動画共有サイトのアニメーション用のプロット作成に参加させていただきました。
 小説の方は、時間がかかりましたが、今年の5月に刊行予定となっています。
 それぞれに楽しさの違いがあって新鮮です。また書けるよう全力で取り組んでいきます。 (2023年3月31日)

著作品一覧

経眼窩式(2014年5月 原書房)
エイトハンドレッド(2015年5月 原書房)
心臓のように大切な(2017年8月 原書房)
99の羊と20000の殺人(2019年8月 実業之日本社)*2017年8月原書房「心臓のように大切な」を改題・改稿