受賞者・優秀作者の紹介

島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。

若月香(わかつきかおり)

広島県福山市生まれ。2004年「いま、会いにゆきます」の映画企画本「ずっと、ずっと、あなたのそばに~澪の物語~」でデビュー。2014年島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学賞優秀作「屋上と、犬と、ぼくたちと」で再デビューを果たす。

第6回優秀作

屋上と、犬と、ぼくたちと

2014年9月 光文社

 ガソリンスタンドでバイトをしている野村修司は、アパートの新聞受けに謎のメモがはさまれていることに気付く。はじめは意味のわからない内容だったが、翌週以降も届くメモを見ると、それは小学校時代に起きた不幸な出来事を指しているようだ。仲間と拾った子犬を内緒で飼っていた秋葉ビルの『屋上の屋上』から、台風の日に仲間の一人、オッタが転落して亡くなったのだ。 バイト先のミステリー好きの店長にメモを見せると、オッタの死に不審を抱き、メモの主を突き止めようと言い出すのだが―。

著者よりひとこと

 「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」発足のニュースを耳にしたときから、生まれも育ちも福山市のわたしは、いつか絶対に応募しよう!と心に決めていました。そして初めてのミステリーというチャレンジでしたが、このような賞をいただき、大変嬉しく、幸せです。島田荘司先生、そして関係者の皆様に心より感謝いたします。 今後も創作と創造をライフワークに、書き続けたいと思います。 本当にありがとうございました!(2014年9月)

近 況

 コロナからの三年間、絵を描くことを始めました。
 始まりは水墨画からで、墨の匂いが心地いい、と思ったのもつかの間、水の加減であっという間に滲んで失敗、四苦八苦!
 思い返せば十代のころ、漫画やイラストを描くのが大好きでした。高校生のときに自作漫画を出版社に投稿したことも。 でも絵の才能にはすぐに限界を感じてしまいました。
 ただわたしは物語を空想することも好きだったので、いつしか小説を書くようになりました。
 これから、Amazon Kindleにて電子出版していきます。 (過去に書いたものを試しに自費で校正さんに出してみたら、思いがけず褒めてもらえたことがきっかけの一つになりました)
 その第一作目は、『枯渇』――すこし怖くて、悲しいミステリーです。
 そして水墨画から始まったイラスト描きも復活しました。表紙のイラストとデザインも自分で手掛けてみました。創造することは大変だけど、出来上がるとやっぱり嬉しい。
 商業的に出版することは自身の力不足でなかなか叶いませんが,これから自分のできる範囲で,自分ができることをやっていければと思っています。よろしかったら,ぜひお付き合いくださいませ。 (2023年3月31日)

著作品一覧

屋上と、犬と、ぼくたちと(2014年9月 光文社)
枯渇(2023年1月 Amazon Kindle出版)