島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。
第13回受賞作
2021年 講談社
令和4年は、卒後教育講座の講師や治験審査委員会副委員長などを務めながら、長編二作、連作短編集一作の執筆に勤しみました。令和5年はこれらの出版成就を願いながら、次作の執筆に励みたいと思います。
卒後教育講座では、「薬学とミステリー」という内容の公演を依頼されることが多いので、自身の専門領域に加えて福ミスとその作家さん達のお話をさせていただいております。また、アガサクリスティーと横溝正史が薬剤師であったことから、ミステリーファンの薬剤師も多く、福ミスのことをより多くの薬剤師に知っていただければという思いで登壇しております。
その他、趣味の領域ですが、庭の畑仕事、水彩絵画教室、ピアノの練習などにちょこちょこ手を出しています。コロナ禍でめったに飲み会には参加しませんが、昨年末には第14回福ミス受賞者である白木さんの受賞のお祝いも兼ねた、合計八名の福ミス作家さん達による「オンライン祝賀会」に参加させていただきました。(2023年3月28日)
第13回受賞作
2021年 講談社
社会活動が再開して、本業のほうが忙しくなってきたので、SNSはしばらく休止することにしました。
空いた時間で執筆しながら、新人賞への応募も再開しました。
最終目標である、このミス,清張、乱歩賞をとるまでは書き続けたいと思います。(2023年3月28日)
依存(2021年3月 講談社)
葛藤(2021年12月 講談社)
第8回受賞作
2016年4月 原書房
戦後の日本犯罪史上、最も鮮烈な印象を残したのは1968年に起きた「三億円事件」であろう。しかし、日本人だけでなく広く世界中の人々の注目を集めた点では、1965年に起きた「アムステルダム運河殺人事件」が勝っている。1965年夏、アムステルダムの運河に浮かんだ日本人死体は頭部・両脚・手首が切断され、胴体だけがトランクに詰められて発見された。当時、新進推理作家として文壇に登場した松本清張氏は本事件を小説化するに当たって綿密に取材し、被害者が替え玉であるとの説を唱えた。しかし、しばらくして自説を撤回するに至る。ヨーロッパの警察機構に加えインターポールも捜査に参画したが、事件は迷宮入りの様相を呈する。(実際に発生した事件を基にしたフィクション)
「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」には、その独特な選考手法に注目していた。それは「敗者復活」のルートが用意されていたからである。選考過程が単にふるいに掛けようとするものではなく、作者の懸命さを見逃すまいとする姿勢に島田荘司先生をはじめ選者の人々の心意気が垣間見え、憧れを抱いていた。「もの書き」はスポーツ選手と同様で、試合に出場することで成長できると確信している。ピッチに立たせてもらえたことを大変光栄に思う。(2016年5月)
アムステルダムの詭計(2016年4月 原書房)