第9回に『さようなら、お母さん』で優秀作を受賞し,講談社から出版した北里紗月さんが新作を出版しました!
「圧倒的知識によって紡ぎ出された、美しくも残酷な生物学的多様性。悪夢の島でのサバイバル活劇に、息することも忘れてページをめくる」――知念実希人氏、熱狂! 南洋の海洋生物研究所を集団死が襲う!? これはパンデミックか他国の襲撃、自然災害、それとも……。生物学を究めた医療ミステリーの新星が放つ、極限のバイオパニックホラー!
・作品名:赫き女王 Red Alveolata Queen
・作者名:北里紗月
・発売日:2023年(令和5年)12月20日
・価格:1,950円(税抜)
以下のURLから冒頭の試し読みが出来ます。
https://note.com/giallo_kobunsha/n/n2bfa9d8f8241
第14回を受賞し,『ヘパイストスの侍女』を出版した白木健嗣さんが新作を出版しました!
【作者からのコメント】
デビュー作の出版から一年半以上もかかってしまいましたが、ようやく受賞後第一作を発表することができました。
本作は著者の地元・三重県四日市市を舞台に据えた怪奇ミステリーとなっております。王道のミステリーに仕上がりましたのでお楽しみいただけましたら幸いです。
・作品名:『抜け首伝説の殺人 巽人形堂の事件簿』
・作者名:白木健嗣
・発売日:2023年10月25日
・価 格:1,800円(税別)
【あらすじ】
三重県の四日市で江戸時代から続く老舗造り酒屋・加賀屋酒造の創業者一家に、殺人事件が起こった。生首が酒蔵で見つかり、胴体は屋敷で布団に寝かされていたという。加賀屋酒造には、門外不出の酒米・間歩守とその米を材料にした地域を代表する銘酒・間歩錦がある。繁盛を妬んだ同業者の仕業なのか? 一方で、この酒造には奇妙な言い伝えがあった。創業者は妖怪・抜け首の血を引く一族だというのだ。酒造を訪れていた人形師・巽藤子は、頼まれもしないのに事件に首を突っ込む。まるで、因果の歪みに魅せられているように。
◆第16回受賞作 「赤の女王の殺人」
◆作者 麻根 重次(あさね じゅうじ)
◆作者プロフィール
1986年生まれ。長野県安曇野市在住。信州大学大学院で進化生物学を専攻し、その後現在まで公務員として勤務。
◆受賞作概要
市役所の市民相談室に勤務する六原あずさは、ある日、相談者の妻が密室から墜落死する現場を目撃してしまう。被害者が死の間際に残した「ナツミ」という人物を追って、刑事である夫の具樹は捜査を開始するが、その行方は杳として知れなかった。一方で、あずさの元には不可思議な相談が次々と舞い込む。施錠された納骨堂でひとつ増えた骨壺。高齢男性ばかりをつけ狙う怪しげなストーカー。重なる謎の裏には、驚きの真相があった。
(左から島田荘司先生,麻根重次様,枝広直幹実行委員会委員長)
「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞 第16回受賞作」の発表記者会見を、10月27日、枝広直幹実行委員会委員長、島田荘司先生、受賞者の麻根重次さん、協力出版社3社の出席のもと、ふくやま文学館で行いました。
◆島田荘司先生選評(抜粋)
全体の達成度が、前例群に依存しない高みに達して見えること、こういうものを持つ小説に文学性は宿り、それは文学賞の受賞経歴とか、大衆の抱かされたジャンル理解の常識とは関係がない。そういうことを考える時、この出発したばかりの書き手が作中に示した態度には、将来そうした方向に向かえそうな品のよさを感じる。今後もこうした様子が続くなら、これは貴重な萌芽というものだろう。―(抜粋)
◆麻根重次さんコメント
自分が書いたミステリに、尊敬する島田荘司先生から評価をいただきたい。その一心で今回応募した作品が、思いもかけず新人賞をいただくこととなり、驚きと喜びで胸が一杯です。
審査に携わっていただいた島田先生はじめ関係各位、また投稿前に作品を読んで感想をくれた友人たち、そして私の創作活動を励まし支えてくれた妻に、心より感謝を申し上げます。ここを新たなスタートとし、諸先輩方に追いつけるよう、精一杯頑張ります。
◆受賞作の出版は2024年春予定
受賞作品は,今後,島田先生の指導のもとに推敲され,2024年春に講談社から出版される予定です。
また,この度,次の作品を優秀作として顕彰することを決定しました。
◆第16回優秀作「片翼のイカロスは飛べない」
◆作者 野島 夕照(のじま せきしょう)
◆作者プロフィール
1962年1月26日生。倉敷市出身。横浜市在住。少額短期保険会社の社長を務める傍ら、週末は非常勤講師として大学の教壇に立つ。
◆優秀作概要
相模湖畔に建つ碇矢邸で、資産家の当主が忽然と姿を消す。碇矢家所有の自家用ヘリコプターが奥多摩上空五百mを飛んでいる時に黒い影と接触するが、この時機体に残された赤いシミは、DNA鑑定の結果、当主の血液であることが判明した。片足が不自由な当主は幼い頃からの夢を叶え、イカロスのように大空を飛んでいたのか。奇想天外なからくりを屋敷の新人メイドが解き明かす。
◆島田荘司先生選評(抜粋)
進行が定まった館ゲーム・パターンを素直に受け入れた書き手が、そこに本格としてのどんな仕掛けを思いついて付け加えるかを待ち、楽しむのがよい。こうした日本型の構造は、平成以来の新本格の行きついた姿かもしれない。―(抜粋)
◆野島夕照さんコメント
この度は優秀作として選考いただき、ありがとうございます。学生時代に島田荘司先生の『斜め屋敷の犯罪』を読んで、いつか機会があれば自分も挑戦してみたいと考えていました。あれから40年。還暦を迎えて、社長業の傍らやっとそれなりに執筆時間を確保できるようになり、島田先生に自分の作品を読んでいただけるところまで来たことを何よりも嬉しく思っています。今後も、大いなる謎をロジカルに解明する作品に挑み続けます。
◆優秀作の出版について
優秀作は,協力出版社(講談社・光文社・原書房)による即時出版を行うものではありません。ただし,今後,選者の島田荘司氏や協力出版社による改稿により,出版される場合もあります。
◆表彰式は2024年3月(予定)
第16回表彰式を,来年3月に開催する予定です。(詳細は未定)
最終選考に残った2作の島田先生の選評と第1次選考通過作品(最終選考作品を除く)の担当編集者による選評は,近日中に掲載します。
掲載しましたら,こうもり通信・Facebook・Twitterでもお知らせしますので,どうぞお楽しみに。
今後とも,福ミスをどうぞよろしくお願いいたします。
第2次選考通過作品として次の2作品が選ばれました!!
最終選考は,選者である島田荘司氏が2作の中から受賞作を決定し,10月に発表する予定です。
楽しみにお待ちください。
◆第2次選考通過作品【2作】※順不同・括弧内は筆名
・赤の女王の殺人(麻根 重次)
・片翼のイカロスは飛べない(野島 夕照)
第1次選考通過作品(3回目)は,該当がありませんでした。
これまでに発表した21作品が第1次選考通過作品となりました。
今後,第2次選考で4作程度に絞られ,最終選考で受賞作が決定し,10月に発表する予定です。
第2次選考の結果発表は,9月上旬予定です。
以下に,第1次選考通過作品一覧を掲載します。
・夏に消えたジーン(高沢 渉)
・名探偵はカゴの中(哀田 徹)
・ダブルレイヤー(西 正人)
・赤の女王の殺人(麻根 重次)
・死へのインビテーション(西 正人)
・その時猫は金色に(宮奥 旦音)
・掟の、すべて(谷門 展法)
・夜籠の鳥(児島 らせつ)
・エリアコンシェルジュ 紺野詩絵里の活躍(杉浦 由規)
・イラズノモリ(巴瀬川 弦)
・ただのワナビはかく語りき。(槙島 聖)
・祭りは終わる(雫 めいな)
・永遠の午睡(宮川 隆)
・片翼のイカロスは飛べない(野島 夕照)
・魔王探偵アルトゥール(清水 七帆)
・燃えるラグーン(織江 耕太郎)
・少女と呪文と魔法のペンと(高清水 涼)
・鳳凰のミステリー(甲野 論坊)
・浅草十二階を三歩で登った男(甲野 論坊)
・サロメの箱(蒼木 ゆう)
・明美と宵美(赤木 圭次郎)
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