島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。
第10回受賞作
2018年5月 講談社
2025年、巳年です。
2024年は、改めて健康について考えた年でした。激しい気温差によるものか、風邪のようなダルい症状が長引きました。そして怪我をしました。ジョギングの真似事をしていて、アスファルトの出っ張りに足を引っかけ、勢いよく前へ転んだのです。痛みと共に自分でも驚くほど両手両膝から出血し、帰途、あまり人に会わなかったことがせめてもの救いでした。怪我が治るのにひと月近くかかりました。 その後、年末にも地下鉄の階段で転びました。幸いにも打撲だけですみましたが。また家族にも、健康診断で要検査が出たり(これも幸いにも良性でした)、飼い猫にできものができて動物病院に通ったりと、色々、続きました。
そんなある日です。カフェの隣の席で、年配の(わたしより十か二十歳ほど年長と思われる)女性らがお喋りをされていました。なかのお一人がいわれたのです。「体力があったらなんでもするわ」と。当たり前のことながら、その通りだと思わず膝を打ちました。
根性ややる気を持つにも、創造を広げ、小説を書くにも体力が必要かと思います。そして、人を思いやり、慈しむ心を持ち続けることもまた、体力はいるでしょう。その年配の女性からは、まだまだやりたいことがたくさんあるのに、という声にならない呟きが聞こえた気がしました。そんなことで健康についてシミジミ考えた一年でもありました。
2025年は健康に留意し、体力を維持しつつ、読者の方に喜んでいただけるような作品を創りたい。そう願った年の始めでした。(2025年3月)
巡査たちに敬礼を(2024年3月 新潮文庫)
匣の人 巡査部長・浦貴衣子の交番事件ファイル(2024年4月 光文社)
使嗾犯 捜査一課女管理官(2024年7月 角川春樹事務所)
降格刑事(2024年8月 幻冬舎文庫)
流警 新生美術館ジャック(2024年9月 集英社文庫)
ブラックキャット(2024年10月 光文社)
虚の聖域 梓凪子の調査報告書(2024年11月 祥伝社文庫)
大阪府警 遠楓ハルカの捜査日報(2025年1月 PHP文芸文庫)