MENU
トップページ
島田荘司からの
メッセージ
応募要項
こうもり通信
選考過程・選評
作者紹介
選考方法
お問合せ
第17回
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
第16回
第10回 選考過程・選評
応募総数
118
第1次選考通過作品
エイトレターズ・ミッシング
工藤転寝
選評
担当編集者
高校生とその実の父親(?)の謎解き冒険ものとして、気軽に読める読み物としては評価できます。ただし小説としての厚みやミステリーとしての魅力には欠けており、下敷きになっている四柱推命の意味合いも、家族の秘密も意外性がなく、とってつけたような印象になってしまっています。
第1次選考通過作品
フラクタル 名探偵姉川拓海の挨拶
姉川桜子
選評
担当編集者
変わり者の探偵、カードの見立て、プロファイリングなど、キャッチーなアイテムをたくさん盛り込んでいますが、そのどれもが新鮮味に欠け、全体的に既視感の募る作品でした。日本とドイツの2箇所を舞台にした必然性もなかったように感じますし、時系列順に書かれたほうがよかったと思います。また犯人が、ここまで複雑な事件を起こす必然性が希薄で、「支配される実行犯」のふりをする理由もよく分かりませんでした。キャラクターの描き分けなどはお上手で、リーダビリティの高い文章を書ける方だとは思います。
第1次選考通過作品
死者が犯した殺人
瞬那浩人
選評
担当編集者
多視点で小説を書く場合は、繊細な注意が必要です。とくに犯罪者の視点を入れる場合は、フェア・アンフェアがぎりぎりになりますから、犯人の視点は、倒叙などではない場合、 極力入れない方がよいかと思います。
第1次選考通過作品
緑色の涙
野乃はるか
選評
担当編集者
「あれとこれをくっつけたら読者が驚くのではないか」という著者の意図が透けて見えそうな作品。フィクションとはいえ「現実」を舞台にした物語なので、そのぶんのリアリティは必要です。さらに、関係者が多すぎるにもかかわらず、あまり書き分けられていないために、物語全体が貧弱に見えてしまいます。プロローグにエジプトの話を持ってきたうえで事件を描くなら、それに相応しいスケールを用意して示せないと、読者は落胆してしまいます。
第1次選考通過作品
黒いマリア
南野海
選評
担当編集者
文章は粗いものの、要所要所の描写に不思議なリアルさと切迫感があり、大仕掛けの試みが成功していれば、傑作になる可能性を感じました。ただ、洗脳のあまりの万能さや時系列に怪しい箇所が多いなど、もっと真剣に考えてほしい箇所も散見されます。さらに、ミステリでネタの解説を作品外の注釈で行うのは、禁じ手です。作品内の一文一文で読者を説得するつもりで、もう一度文章を精査してみてください。
© FUKUYAMA MUSEUM OF LITERATURE