島田荘司選 第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作は、
『依存』矢吹鐡也(やぶきてつや)
『報復の密室』平野俊彦(ひらのとしひこ)の2作に決定しました!!
2作の受賞は第3回以来となります。
それに伴い,受賞作発表の記者会見を、10月9日(金)に福山市役所にて行いました。
今回は,新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から,会場の枝広直幹委員長(福山市長)と,東京の出版社へお集まりいただいた,受賞者の矢吹鐡也さん、平野俊彦さん,選者の島田荘司先生,協力出版社3社の編集者をZOOMでつなぎオンラインで開催しました。
左から,委員長(枝広直幹),受賞者(矢吹鐡也),受賞者(平野俊彦),選者(島田荘司)
〇矢吹鐡也さんについて
◆プロフィール
東京都在住
ドリームファクトリー勤務(映画宣伝、映画コンサルティング、映像・クリエイティブ制作)
◆『依存』あらすじ
未婚の母として十八で真斗を産んだ香奈枝は、真斗の高校進学を機に結婚する。
しかし、幸せな日々は続かない。次第に真斗が心を閉ざし、ある日、旦那が通り魔に襲われ死亡する。
悲しみに打ちひしがれる香奈枝は、真斗の部屋で犯行に使われた包丁を見つけ、さらに失意のどん底へと突き落とされる。
真斗を守るため、香奈枝は罪を被り自首するのだが、警察は香奈枝の行動に疑念を抱く。やがて、事件を記事にした週刊誌が真相に迫る。
◆島田荘司先生選評(抜粋)
この疾走感は、当賞でもはじめてかと思うほどのスピードであった。―(中略)―
達意の文体と、ミステリー畑には貴重な文芸センスの人間描写によって、上手な混乱を殺人のドラマに持ち込んだ、優れた作例であると感じた。―(抜粋)
◆受賞コメント
三年前から小説を書き始めました。
毎年、新人賞に応募を続けてきましたが全く手応えなし。挫けそうになった時、支えになったのは作品を読んで励ましてくれた身内や友人たちでした。
受賞の連絡を受けた時、真っ先に彼らの顔が浮かびました。
今回の受賞に満足せず、目標に向かってこれからも突き進んでいきたいと思います。
僕の挑戦は始まったばかり。
〇平野俊彦さんについて
◆プロフィール
1956年、栃木県足利市生まれ。八王子市在住。薬学部教授として教育研究に従事しながらミステリーを執筆。
◆『報復の密室』あらすじ
多摩薬科大学大日方教授の娘千佳が、施錠された教室で首を吊った。警察は、自殺を装った殺人事件として捜査を始める。
千佳は生前、ミステリー賞に応募中の人物と付き合っていたという。大日方は、旧友の出版社長の協力を得て新ミステリー賞を立ち上げ、やがてその応募者の中に思わぬ人物を見出す。大日方が、学内の遺伝子組み換え実験室にその人物を呼び出そうとした時、完全な密室と化した実験室内で奇怪な第二の殺人が起こる。
◆島田荘司先生選評(抜粋)
当作は充分によく考えられた構造を持ち、ジャンルに重要な科学知識の提供もあり、誤った犯人に推理が向かうように作られた赤ニシン的構造もなかなか巧みで、しばしの知的刺激の時間が得られそうな、良質な読み物に仕上がっていたと思う。―(抜粋)
◆受賞コメント
この度は、素晴らしい本格ミステリーの賞である本賞を受賞させて頂きましたこと、誠に身に余る光栄に存じます。島田先生を始め選考委員の皆様、福ミス関係者の方々、出版社の方々、そして福山市の皆様に、心よりお礼申し上げます。自分が著した本格ミステリー小説によって、多くの読者を驚かせることが私の夢でした。これから島田先生や出版社の方々のご指導を頂きながら、より良い作品を書き続けることに期待を膨らませています。
〇受賞作の出版について
受賞した2作品は,今後,島田先生の指導のもとに推敲され,来年(2021年)講談社から出版される予定です。
最終選考に残った3作の島田先生の選評と,第1次選考通過作品(最終選考作品を除く)の担当編集者による選評は,近日中に掲載します。
今後とも,福ミスをどうぞよろしくお願いいたします。
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(すぐには掲載されませんので、ご了承ください。)
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