福ミス第4回受賞作 「レゾン・デートル」
◆作 者
知念 実希人(ちねん みきと)
◆作者プロフィール
1978年10月12日沖縄県に生まれる。東京都在住。東京慈恵医科大学卒業。2004年から医師として勤務。日本内科学会認定医。
◆受賞作概要
自らが末期癌に冒されていることを知った若手の外科医、岬雄貴は、自暴自棄となり殺人を犯してしまう。そのことがきっかけで、連続殺人鬼「ジャック」と接触を持った雄貴は、ジャックの思想に感化され、その共犯となる。偶然助けた少女、沙耶と心を通わすうちに、自らの行動に苦悩するようになる雄貴。「ジャック」はなぜ殺人を繰り返すのか、少女はなぜ追われるのか、残り少ない命をかけ、雄貴は少女のために戦いを挑む。
(左から 羽田皓実行委員会委員長、知念実希人さん、島田荘司先生)
島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の第4回受賞作の発表記者会見を、10月21日、羽田皓実行委員会委員長、島田荘司先生、受賞者、協力出版社3社の出席のもと、ふくやま文学館で行いました。
◆島田先生選評(抜粋)
「この作者が、高度に知的な医学の蘊蓄を見せるたび、背後に存在する深い医学的知見に都度圧倒される思いで、単純と見える物語進行に、要所要所で知的な厚みを加える印象を持った。
いずれにしてもこの突進する痛快な小説が、福ミスのアンテナを増やし、幅を広げてくれたことを感じて、感謝をした。受賞作は、この作以外にはないであろう。」
◆知念さん受賞コメント
「この度は素晴らしい賞に選出して頂き、島田先生をはじめ、関係者の皆さまには感謝の言葉もございません。受賞を知った瞬間は、長年の夢がかない、天にも昇る心持ちでした。今回の作品は、医療現場で勤務した数年間の経験を込めて書き上げました。今後は賞の名に恥じぬよう作家として精進し、ミステリー文学、そして福山市の発展のために、微力ながら貢献できたらと思っております。よろしくお願いいたします。」
◆受賞作の出版は2012年春予定
受賞作品は今後、島田先生の指導のもとに推敲され、2012年春に講談社から発表される予定。
◆表彰式は2012年5月(予定)
第4回表彰式を、来年5月に開催する予定。(詳細は未定)
島田先生に「この作品以外ない」という作品が決まり、事務局でも大変うれしく思っております。先生のアドバイスで、作品に磨きをかけられ、「傑作」となって世に送り出します。出版が大変楽しみです。
最終選考に残った4作の島田先生の選評は、後日、掲載します。楽しみにしていてください。
今後とも福ミスをどうぞよろしくお願いいたします。
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