コウモリ通信

第8回受賞作発表!!

◆第8回受賞作 「アムステルダムの詭計」

◆作者
原 進一 (はらしんいち)

 

◆作者プロフィール
昭和23年生まれ。兵庫県神戸市出身。東京外国語大学卒。卒業と同時に全日空(株)に入社し(地上職)、東京、大阪、福岡、鹿児島、オランダなどで勤務ののち平成20年に定年退職。現在は無職で東京都在住。

 

◆受賞作概要
戦後の日本犯罪史上、最も鮮烈な印象を残したのは、昭和43年に発生した「三億円事件」であろう。しかし、日本人だけでなく広く世界中の人々の耳目を引いた点では、昭和40年に起きた「アムステルダム運河殺人事件」が凌駕している。1965年夏、アムステルダムの運河に浮かんだ日本人死体は、頭部、両脚、手首が切断され胴体だけがトランクに詰められて発見された。当時新進推理作家として文壇に登場した松本清張氏は本事件を小説化するに当たって綿密に取材し、被害者が替え玉であるとの説を唱えた。しかし、後刻自説を撤回するに至る。ヨーロッパの警察機構に加えインターポールも捜査に参画したが、事件は迷宮入りの様相を呈する。(実際に発生した事件をもとにしたフィクション)

 

 

????????????????????????????????????

(左から、島田荘司先生、原進一さん、羽田皓実行委員会委員長)

 

島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞 第8回受賞作の発表記者会見を,10月30日,羽田皓実行委員会委員長,島田荘司先生,受賞者,協力出版社3社の出席のもと,ふくやま文学館で行いました。

 

◆島田荘司先生選評(抜粋)
「二十五年という待機の歳月が流れ、ようやくここに、隠れもない松本清張のDNAを持った、おとなの文体を操る、成熟した思索の書き手が現れたと見え、今後さらに出現が続けば、かつて自分が構想した二派競合の時代がいよいよ実現するか、という期待も抱かされた。」

 

◆原進一さんコメント
「「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」には、その独特な選考手法に注目していた。「敗者復活」のルートが用意されていたからである。選考過程が、単にふるいにかけようとするものではなく、作者の懸命さを見逃すまいとする姿勢に島田荘司先生はじめ選者の方々の心意気が垣間見え、憧憬を抱いていた。「もの書き」はスポーツ選手と同様で、試合に出場することで成長できると確信している。ピッチに立たせて貰えたことを大変光栄に思う。」

 

◆受賞作の出版は2016年春予定
受賞作品は,今後,島田先生の指導のもとに推敲され,2016年春に原書房から出版される予定です。

 

◆表彰式は2016年5月(予定)
第8回表彰式を,来年5月に開催する予定です。(詳細は未定)

 

 

また,このたび,次の作品を優秀作として顕彰することを決定いたしました。

第8回優秀作 「幻想ジウロパ」

●作者
松本英哉 (まつもとひでや)

 

●作者プロフィール
1974年10月12日生まれ。兵庫県出身。兵庫県在住。

 

●優秀作概要
神海市旧居留地にある古ぼけたビルの一室。そこは仮想空間『ジウロパ世界』と現実が並存する特殊な場所であった。高校生の日向アキラは、自分のアバターを操作し、遠く離れた家からそのビルの一室に遠隔アクセスした。そこで待っていたのは、セルパンという名のアバターだった。短いやりとりののち、ふたりは口論となり、ついにはアキラの操るアバターがセルパンの喉もとを刀で掻っ切ってしまう。翌日、そのビルの部屋で若い男の遺体が発見された。男は何者かに喉もとを切られ、無惨にも殺されていた。しかもその男は、昨夜セルパンを操作していたプレイヤーであるらしかった。アキラは自問する。「あれはぼくがやったのか?」。果たして男を殺害したのは、本当にアキラなのか。その答えを探るべく、アキラは行動を開始した。

 

●島田荘司先生選評(抜粋)
「過去多く読まされた類例作の内にあって,これは一頭地を抜いた完成度を示しており,新発想のゲームが,それゆえに新しいミステリーを起こし得た。つまり優れた準備が優れた結果を招聘し得た,これは好ましい二十一世紀本格の作例である。」

 

●松本英哉さんコメント
「もう十年近く前になりますが、島田荘司先生のサイン会にて先生からかけていただいた温かい言葉は、執筆を続ける上でいつも大きな励みとなりました。また、そのサイン会直後に立ち上がった“福ミス”は、ずっと進むべき道しるべでした。このたび「優秀作」という身に余る評価を賜り、言葉にできないほどの喜びを感じております。再び背中を押してくださった島田荘司先生と“福ミス”関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。」

 

優秀作については,光文社から出版予定になっています。
島田先生のアドバイスでさらに磨きをかけられた受賞作・優秀作が店頭に並ぶ日が,今からとても楽しみですね。
なお,優秀作者の松本さんは,来年5月の表彰式にお招きする予定です。

 

最終選考に残った4作の島田先生の選評と第1次選考通過作品(最終選考作品を除く)の担当編集者による選評は,近日中に掲載します。
掲載しましたら,こうもり通信でもお知らせしますので,どうぞお楽しみに。
今後とも,福ミスをどうぞよろしくお願いいたします。

【第8回受賞作発表!!】 - 【新規投稿】
【第8回受賞作発表!!】 - 【新規投稿】

  ※半角英数で8文字以上

* 書き込まれた内容につきましては、掲載前にチェックを行います。
(すぐには掲載されませんので、ご了承ください。)

  • 原さん!
    福山ミステリー文学賞受賞おめでとうございます!!

    実は私は少しばかり作者の原さんを存じ上げて居ります。
    世代も同じ性もあって時代背景の描写もリアルで短な出来事ばかり。
    えっ!! これって、原さんのこと?! と思いを巡らせながら興味深々一気に読み上げました。
    一枚の絵画や贋作が世の中に及ぼす (企業、財界、金融、マフィア )背景の描写は目から鱗でした。
    フランドル・コネクション Mさん
    これからの絵画鑑賞の楽しみ方が大きく変わりそうです。
    主人公の人との関わりの希薄さは返って一つ奥に秘めたものへの拘りの裏返しだった様でも、、
    色々余韻の残る作品でした。

    次の作品も又楽しみです!!

第4回受賞者,知念実希人の新刊発売!

福ミス第4回受賞作「誰がための刃 レゾンデートル」の作者、知念実希人さんの新刊が発売されます。
どうぞお楽しみください。

 

◆作品名  「神酒クリニックで乾杯を」
◆発売日  2015年10月24日 ※書店によって前後します。
◆定 価  600円(税別)
◆出版社  KADOKAWA(角川文庫)

 

【あらすじ】
医療事故で働き場所を失ってしまった外科医の九十九勝己は、知人の勧めで「神酒クリニック」で働くことに。
そこでは院長の神酒章一郎を初め、腕は立つが曲者の医師達が、世間に知られることなくVIPの治療を行っていた。
彼らに振り回されつつも、新しい職場に慣れていく勝己。しかし神酒クリニックには彼が知らない裏の顔が。
秘密のクリニックで勝己が請け負う「仕事」とは!?
個性派過ぎる医師達が贈る、メディカル・エンタメミステリ、ここに開幕!!

 

神酒クリニックで乾杯を

【第4回受賞者,知念実希人の新刊発売!】 - 【新規投稿】
【第4回受賞者,知念実希人の新刊発売!】 - 【新規投稿】

  ※半角英数で8文字以上

* 書き込まれた内容につきましては、掲載前にチェックを行います。
(すぐには掲載されませんので、ご了承ください。)

第3回優秀作者、吉田恭教の新刊発売!

福ミス第3回優秀作「変若水」の作者、吉田恭教さんの新刊が発売されます。

ちょっと怖い、幽霊を題材にした本格オカルトミステリー。

ぜひお楽しみください!

 

◆作品名  「可視える(みえる)」

◆発売日  2015年10月23日 ※書店によって前後します

◆定 価  1,800円(税別)

◆出版社  南雲堂

 

【あらすじ】

憎い・・・・・・ 憎い・・・・・・。 この恨み、晴らさずにはおくものか・・・・・・。

理不尽、執着、怨念――。 稀代の幽霊画が招き寄せる死の連鎖!!

「幽霊画の作者を探して欲しい」画商の依頼を受け、島根県の山奥に佇む龍源神社に赴いた探偵の槙野康平は、その幽霊画のあまりの悍ましさに絶句する。

そして一年が過ぎ、警視庁捜査一課の東條有紀は、捜査員の誰もが目を背ける残虐な連続猟奇殺人事件を追っていた。

不祥事から警察を追われて探偵となった男と、自身の出生を呪う鉄仮面と渾名される女刑事が難事件を追う!

 

える可視

【第3回優秀作者、吉田恭教の新刊発売!】 - 【新規投稿】
【第3回優秀作者、吉田恭教の新刊発売!】 - 【新規投稿】

  ※半角英数で8文字以上

* 書き込まれた内容につきましては、掲載前にチェックを行います。
(すぐには掲載されませんので、ご了承ください。)

一覧にもどる
ご利用に関するアウトライン

こうもり通信のご利用にあたり、注意事項などをおしらせしています。ご利用の前に必ず一読ください。

  • 2015年10月
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031