コウモリ通信

島田荘司展Ⅱ―ミステリーとは、限りなく脳の小説である―、無事終了いたしました。

 島田荘司展Ⅱ―ミステリーとは、限りなく脳の小説である―は、1125日をもちまして、無事終了いたしました。会期中2,163人の方々にお越しいただき、概ね好評のうちに終了できましたこと、館員一同心より感謝申しあげます。

 

 本展は、島田荘司展Ⅰ(2004423日~66日)での島田荘司の福山での幼少期の資料を中心とした展示とはおもむきを変え、最近の島田荘司の活動や方向性を特集したものです。島田荘司本人による書きおろし作品解説、担当編集者たちによる島田荘司についての書きおろしエッセイなどを中心に、現在、台湾などのアジア圏で島田作品が熱烈に支持されている状況なども、訳本やDVDなどの資料から紹介しました。展示資料としては、初期のノートやメモ類、原稿など島田荘司の創作の過程がうかがえるもののほか、相沢康夫さんの特装本『涙流れるままに』やかんてふさんの「迷車交遊録」と称する模型など、愛読者による作品も注目されていました。また、K2-DESIGNが制作した精巧な模型「斜め屋敷」、梶髙慎輔さんの映像作品、そして、島田作品の装丁画も描いている石塚桜子さんの絵画「御手洗潔」などの作品の前では、長時間見入っている方が多かったと思います。

 

 また、関連行事としては、島田荘司講演会「脳の物語としてのミステリー」、島田千津子講演会「母が荘司の思い出を語る―流れるままに」という2つの講演会を行いましたところ、いずれも非常に多くの聴講者がありました。前者は、現在のミステリー文学の方向性、後者は、作家となるまでの島田荘司とその環境を知るうえで、意義深い講演でした。

 

 担当者といたしましては、遠くからもお越しくださったファンの方々の熱意が深く印象に残る展示でした。北海道から新作の展示資料を持ってかけつけてくださった方、様々なアドバイスをくださり、また福山オフ会をコーディネートしてくださった方々、福山駅まで私と一緒にサイクリングしてくださった東京の方、それを見て驚いていらした神奈川の方、こちらは大阪に住んでいるのに、なぜかマウテンバイクで文学館に颯爽と現れた方、2日も長時間展示を見てくださった大阪のお二人、オフ会ですばらしい歌をきかせてくださった方々、最終日に名古屋から在来線で来られた方…。本当にたくさんの方々が、島田作品にインスパイアされていることをあらためて実感いたしました。

 最後になりましたが、監修者の島田荘司先生をはじめ、展示関係者の方々に深く感謝申しあげます。

 

YO, KO, YN, FN

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