受賞者・優秀作者の紹介

島田荘司選 ばらまち福山ミステリー文学新人賞では,受賞作品は協力出版社から即時出版されることになっています。
また、特別に設けられた優秀作も,随時,協力出版社から出版されています。
ここでは、今までの受賞者・優秀作者のその後の活動等を紹介します。

神谷一心(かみやいっしん)

1980年生まれ。同志社大学法学部法律学科卒業。2004年,行政書士試験合格。2009年,第16回電撃小説大賞にて「精恋三国志Ⅰ」で電撃文庫MAGAZINE賞を受賞。

第7回受賞作

たとえ、世界に背いても

2015年5月 講談社

 20XX年の冬,スウェーデンのストックホルムではノーベル賞受賞者を祝う晩餐会が開かれていた。祝宴の最中,ノーベル医学・生理学賞の受賞者である浅井由希子博士は,壇上で紫斑性筋硬化症候群という奇病について語り始める。彼女の息子はその奇病に冒されていたのだ。参列者の誰もが息子の治療の為に研究し続けた母親の言葉に感動した。しかし,彼女は美談の果てにこんな言葉を解き放つ。「私の息子は自殺したのではありません。長峰高校の元一年B組の生徒達に苛め殺されたのです」と。こうして,天才医学者による人類史上,未曾有の復讐劇が幕を開けた。

著者よりひとこと

 この度は「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」という素晴らしい賞を頂き、光栄に思っています。島田先生、事務局の皆様、一次及び二次選考に関わって下さった皆様に心よりお礼を申し上げます。今から二十年前、まだ中学生だった頃から、いつかミステリー小説を書きたいと思っていました。そのチャンスを与えて下さった皆様の期待に応えられるようにこれからも努力していきたいと思います。(2015年5月)

近 況

 今年度の受賞者様、おめでとうございます。
 島田先生ならびに福ミス関係者の皆様、このような貴重な機会を設けていただき本当にありがとうございます。
 皆様のおかげで福ミスも16年目となりました。今年は大賞も選出され授賞式も催されるそうで喜ばしいかぎりです。
 近況報告ですが、特にこれといった予定はありません。
 詩や小説を書きながら穏やかに暮らしております。
 しいていえば「たとえ、世界に背いても」の電子書籍に関することでしょうか。
 毎年、購入してくださる読者様が日本のどこかにいらっしゃるようで本当にありがたいです。
 もうずいぶん前に書いた小説なのに、手に取ってくださる方もいるのだなぁ、と出版社のレポートを眺めながら感謝しています。
 なにもかも島田先生と福ミス関係者の皆様のおかげです。
 なにか大事な思いを表現したいという作家はきっと福山に集まるのでしょう。
 これからもばらのまち福山ミステリー文学新人賞が末永く続くことを祈っております。(2024年3月)

著作品一覧

たとえ、世界に背いても(2015年5月 講談社)